【映画レビュー:ドニー・ダーコ】白いウサギに導かれる青年を描く難解サスペンス

今回は、映画『ドニー・ダーコ』の感想レビューです。

初見では理解できないほど説明が少なく、難しい作品でした。人を選ぶと思います。

結果として全体像は良かったものの、個人的には説明不足な作りが不満でした。

前半はネタバレ無しのレビューなので、観る前の参考にしていただけます。

後半はネタバレ有りの感想・考察なので、まだ観ていない方はご注意ください。

映画情報
  • おすすめ度:6/10
  • 原題:『Donnie Darko』
  • 主演:ジェイク・ジレンホール
  • ジャンル:サスペンス
  • 公開:2001年
  • 長さ:113分(1時間53分)

序盤のあらすじ

主人公ドニー・ダーコは精神不安定な青年。

過去に問題を起こしつつも、精神科医の治療を受けながら学校に通っていました。

ある日の夜、ドニーは何者かの声を聴いて目を覚まします。

声の主は白いウサギの着ぐるみで、彼はあと28日後に何かが起こるとドニーに告げました。

その晩ドニーの部屋に飛行機のエンジンがどこからともなく墜落。しかしドニー自身はいつの間にかゴルフ場で寝ていたので事なきを得ます。

白いウサギは一体何者なのか。そして、28日後には何が起きるのか。

ネタバレなしの感想

本作『ドニー・ダーコ』は人を選ぶ作品だと思います。

というのも、本作は「何が起こっているのか」に対する説明がとても少ないです。

しかもちょっと難しいというレベルではなく、初見では結局どういう話だったのか分からないとしてもおかしくはないレベルなのです。

実際、僕自身も最初見ただけでは分からず、他の方のレビューに目を通してはじめて全体像がぼんやりとつかめました。

僕の個人的な感想としては、全体的なストーリーは(理解した場合)悪くないものの、あまりにも説明を放棄しすぎというのが正直なところです。

良くいえば考察のしがいがあると言えますが、悪くいえば投げやりともとれます。

僕はサスペンス映画の考察、伏線の発見などは非常に好きなのですが、それは初見である程度自力で気づけるからこそ面白いのだと思います。

なので、本作は合わない人には合わない、合う人には合う、というふうに評価が二極化する作品かもしれません。

 

序盤のあらすじのとおり、物語は大きな謎とともにスタート。

いかにも安っぽいウサギの着ぐるみは何なのか。
その中身は何者なのか。
28日後に何が起こるのか。
そもそもウサギは現実なのか、それとも精神不安定なドニーの妄想なのか。

途中は意味不明なのですが、最終的に1つの物語にはなっています。

具体的に書いてしまうとネタバレになるので、これ以上は書きません。

とにかく難解な映画だということは事前に知っておいた方がいいかと思います。漫然と一回観て終わり、としたい方は避けた方が無難です。

一方、これまで難解なサスペンス映画を何作も楽しむことが出来たという方であれば、むしろ本作は強烈に刺さる1作になるかもしれません。

ネタバレありの感想・考察

注意

以下の感想・考察はネタバレを含みます。ご注意ください。

既に観た方向けの内容です。

結局どういう話だったのか

肝心のストーリーについて僕なりの理解を書きたいと思います。

上に書いたように話が難解なので、もしかしたら間違っている部分もあるかもしれません。ご了承ください。

 

序盤を振り返ると、まず、白いウサギが「あと28日で何かが起こる」とドニーに告げます。

その晩ドニーの部屋に飛行機のエンジンが落ちてくるも、ゴルフ場にいたドニーは無事でした。

それからドニーはたびたび現れるウサギに従って色々な行動を起こしていきます。

ある日彼は、グレッチェンという女の子と付き合うことに。

それから何やかんやあり、ウサギの登場から28日後、ドニーと行動をともにしていたグレッチェンは車にひかれて死んでしまいます。

ここまでは起こったことをそのまま書き起こしただけなのでたぶん間違っていないと思います。

 

ここからが難しいところで、ドニーはグレッチェンの命を助けようとします。

彼女はもう死んでしまっているので、その現実を変えるには過去を変えるしかありません。

1つの案として、もしもグレッチェンがドニーに関わらなければ、車にひかれて死ぬこともなかったはず

そういうわけで、(あまりにも極論すぎるかもしれませんが)過去の時点でドニーが死ねば、グレッチェンは死なずに済むことになります。

 

ここでどういうわけか、「ウサギが最初に現れた日に、ドニーがエンジンの下敷きになって死ぬ世界線」が描かれます。

このエンジンはどこから来たかというと、タイムトラベルで未来から来ました。

序盤で飛行機本体が見つからないという描写があったのは、このためです。

28日が始まる前の段階でドニーが死亡したため、その後の未来も変わりました(新しい世界線が登場)。

ドニーの死体が運ばれるシーンでは、自転車に乗ったグレッチェンが登場します。

しかしこの時点のグレッチェンはまだドニーのことを知らないので、「彼(ドニー)の友だち?」と聞かれても否定するわけです。

そしてその28日後に車に轢かれることもなく、グレッチェンは生き続けます。

 

以上が本作のストーリーの全体像です。

繰り返すとこれは他の方のレビューを参考にした上での僕の理解なので、間違っている可能性もあります。

とりあえず文章にしてみましたが、どうにもしっくりきません。

「ドニーが死ぬことでグレッチェンが死なない世界線がスタート」という大枠は合っていると思うのですが、それをとりまく要素が曖昧です。

これは、

「本当は整合性がしっかりとれる説明が存在するが、分かりにくい(あるいは映画内で完結しない)だけ」

なのか、それとも

「実際にはストーリーの詳細はそこまで練られておらず、それっぽい感じなだけ」

のどちらなのでしょうか。

いずれにしても、初見で観ただけではほとんどの方は腑に落ちないと思います。

もちろんそういう映画もあっていいと思うのですが、本作の投げやりな作りは流石に意地悪すぎると感じました。