【映画レビュー:ディストピア パンドラの少女】新しい設定のゾンビホラー

今回は、映画『ディストピア パンドラの少女』の感想レビューです。

設定に目新しさがありますが、残念ながら全体としては盛り上がりに欠ける作品でした。

レビューの前半はネタバレ無しの内容なので、観る前の参考にしていただけます。

後半はネタバレを含むので、ご注意ください。

映画情報
  • おすすめ度:4/10
  • 原題:『The Girl with All the Gifts』
  • 主演:セニア・ナニュア
  • 監督: コーム・マッカーシー
  • ジャンル:ホラー
  • 公開:2017年
  • 長さ:111分(1時間51分)

あらすじ

人口のほとんどがゾンビ化してしまった世界。

感染してゾンビ化した人々は「ハングリーズ」と呼ばれていました。

ワクチンを作るために拘束されながら育てられていたのが、メラニーを含むハングリーズの子どもたち。

ゾンビ化が始まってから生まれた子どもたちは普通のゾンビとは違い、凶暴性以外にも思考能力を持っています。

ヘレンは教師としてメラニーたちに勉強を教えていました。

しかしある日、メラニーらがいる施設にゾンビが押し寄せ、壊滅。

メラニー、ヘレンを含む数人は命からがら脱出し、安全な基地を目指すことに。

ジャンルについて

本作『ディストピア パンドラの少女』は、あらすじの通り典型的なゾンビ映画です。

そのため、ジャンルとしてはホラーと考えて問題ありません。

ゾンビは人の肉を食べる設定なので、当然ながらグロテスクなシーンがあります。

苦手な方はご注意ください。

面白かったところ

ゾンビというジャンルは、映画・ドラマともに出尽くした感があります。

日本人になじみ深い『バイオハザード』、海外ドラマ『ウォーキング・デッド』など、挙げればキリがありません。

そんな食傷気味のゾンビ界隈において、本作の特徴は思考能力を持ったゾンビが出てくることです。

ゾンビウイルスが発生してから生まれた世代(第二世代)は、なぜか思考能力を持っています。

思考能力は個体によりけりですが、メラニーのように教育を受けたハングリーズなら普通の人間と同じようにコミュニケーションが取れます。

違うのは、人の臭いをかぐと凶暴になることだけです。

思考能力を持ったメラニーがいることで、普通のゾンビものとは違ったストーリーになっています。

良くなかったところ

上に書いたように、ゾンビものでありつつも固有の設定を持っているのは面白いと思います。

ただ、本作は全体としては微妙な作品だったというのが正直なところです。

話は盛り上がりに欠け、観ていて退屈に感じてしまいました。

やはりゾンビ映画が食傷気味であるという宿命は避けられません。

ゾンビに見つからないようにこっそり移動するとか、ミスで見つかってハラハラしながら逃げるといった、よくあるシーンがほとんどです。

一番の見所どころを挙げるとすれば、それはおそらく後半の子供ゾンビのシーンだと思います。

ただそれも面白いかというと…、残念ながら特に印象には残りませんでした。

 

詳しくは後で書きますが、オチはお笑いかと思うくらいひどすぎました。

不満足を通り越して、ここだけコメディだと思えばこれはこれでありかな、とさえ思ったほどです。

ネタバレなしのまとめ

以上、ネタバレにならない範囲での感想でした。

個人的には、かなり微妙。

ゾンビ映画というジャンルが特別好きでないなら、本作は観なくてもいいと思います。

一方で、ゾンビ映画が特に好きだ、という場合は独特な設定の作品ということでアリだと思います。

ネタバレありの感想・考察

注意

以下の感想・考察はネタバレを含みます。ご注意ください。

既に観た方でないと何を言ってるか分からないと思います。

上にも少し書いた、問題のオチについての感想を。

メラニーはゾンビ化する胞子をばらまくために、ゾンビ植物の木に火をつけます。

これにより、世界は完全にゾンビ化することが決まりました。

一見すると火で胞子が燃えるようにも思えますが、設定としては胞子を守る殻がなくなって胞子が飛び出すようです。

メラニーが信頼する教師ヘレンは、安全な移動式研究室にいるのでゾンビ化はしません。

で、最後にどうなったかというと、メラニーを含むゾンビ化した子どもたちに、ヘレンが窓越しに授業を行うというのがラストシーンでした。

観ていない人には何を言っているのか分からないと思いますが、本当にそういうオチなのです。

雰囲気としてはハッピーエンドのようでした。

しかしあまりにもぶっ飛んだ展開なので、正直言ってどこから突っ込めばいいのか…。

ヘレンはこれからずっと狭い車内で暮らして楽しいのか、食料はどうするのかなど、疑問は残ります。

上にも書いたとおり、このオチはもう冗談として捉えることにしました。

面白いとは言えないストーリーのオチがこれなので、プロットに対する満足度は非常に低いというのが正直なところです。

 

最後に考察を1つ。

上に書いたとおりメラニーは最後に、ゾンビ化する胞子を世界にばらまくことにします。

これを観て僕は、「まぁそれもありかなぁ」と思いました。

胞子をばらまいたメラニーの真意は分かりませんが、おそらくゾンビとしての自分を正当化したかったのかもしれません。

ゾンビだけの世界になれば、自分が虐げられることもなくなるわけですから。

個人的にはもう1つ、「ゾンビだらけの世界で普通の人間が生きていくのは大変だから、いっそのことゾンビになった方がいいんじゃないか」、とメラニーなりに考えたのかもしれません。

確かに、ゾンビ映画を観ていてそういうことは僕自身よく思います。

必死に生き延びようとするのも分かるけど、それはあまりにも大変すぎるんじゃないかと。

ちょっとネガティブな考察ですが、そういうことも考えさせられました。

おわり

以上、映画『ディストピア パンドラの少女』の感想レビューでした。

繰り返すと、

  • ゾンビ映画が特別好きでないなら、観なくていい
  • ゾンビ映画が特別好きなら、変わった作品として観るのもアリ

というのが僕の意見です。

個人的には、残念ながらハズレの部類でした。