【映画レビュー:LUCY/ルーシー】薬で脳が覚醒した一般女性を描くSF

今回は、映画『LUCY/ルーシー』の感想レビューです。

薬で脳の潜在的な力が覚醒するタイプのSF映画。

個人的にこの手のSF設定は好みではあるものの、知能向上にとどまらず、超能力まで出てきてしまったのが残念でした。

今回のレビューにはネタバレはありません。

映画情報
  • おすすめ度:5/10
  • 原題:『Lucy』
  • 主演:スカーレット・ヨハンソン
  • ジャンル:SF
  • 公開:2014年
  • 長さ:89分(1時間29分)

序盤のあらすじ

ルーシーはどこにでもいる普通の女性。

ある日知人であるリチャードから預かったケースを届けに行ったところ、マフィアに捕らえられてしまいます。

ケースの中に入っていたのは、人間の潜在的な脳の力を引き出す薬でした。

偶然にもそれがルーシーの体に入ってしまい、彼女の脳は覚醒。

超人的な力を手に入れたルーシーの行く末は如何に。

ネタバレなしの感想

あらすじから明らかなように、本作『LUCY/ルーシー』は薬で脳が覚醒するタイプのSF映画です。

ベースとなる設定では、『リミットレス』に近いものがあります。

結論から書くと、設定こそ期待できるものでしたが、僕の求めていた内容とミスマッチしていて残念でした。

 

薬で覚醒する映画というと、『リミットレス』がそうであったように、知能が向上する内容を想像するでしょう。

もちろん、本作においてもルーシーの知能は向上します。しかしそれだけにとどまらず、SFを超えてもはやファンタジー風の能力まで出現します。

作中では、人の脳は10%くらいしか使われていないといいます。現実でも、そういう仮説が昔ありました。

仮にそれが正しくても、潜在的な能力を引き出して超能力が使えるようになったり次元を超越することはありません。

そういう意味ではリアリティに欠けるかなと思いました。

肝心のストーリーはというと、これも特に目を引くものではなく…。

全体としては、SF映画によくある「設定は興味深いが、それを活かしきれなかった」作品だと感じました。

 

良い点を挙げると、終盤の映像美は圧巻。これが一番印象に残っています。

中盤までの比較的地味な絵面とギャップがあって盛り上がりました。

 

気になったのは、主人公であるルーシーのバックグラウンドが何一つ描かれないこと。

どんな生活をしていたか、もともとどんな性格だったのか、そういったルーシーの人柄の説明(描写)がないまま物語が始まります。

そういうわけで、ルーシーに感情移入というか、注目すべき人物として観られなかったというのが正直なところです。バックグラウンドがないという点では、モブキャラのような感じがしました。

ケースを渡したリチャードとは1週間前に知り合ったとのことですが、これについても具体的には何も描かれていません。

ルーシーよりもむしろ、途中から行動をともにするデル・リオ警部の方が渋くてカッコよく、印象に残っています。

これは映画として致命的…かと思いきや、逆の見方も可能です。

ルーシーを「とことん普通の人」に仕立て上げることで、覚醒した後とのギャップを作るとすれば分からなくもありません。

上ではモブキャラという言葉を使いましたが、まさにモブキャラであることにも、本作の設定においては一応意味はあるわけです。

では、ルーシーのバックグラウンドを描かなかったことは意図的なのか、それともなんとなくなのか。

個人的には断然後者だと思っていて、それが本作のウィークポイントだと思いました。

 

感想をまとめると、個人的にはミスマッチな作品でした。

知能向上をテーマとする映画としては『リミットレス』に軍配が上がります。

一方、超能力を初めとするリアリティのない領域まで許容できる方ならある程度楽しめるかもしれません。

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