【映画レビュー:ミラーズ】鏡の謎を追うホラー系サスペンス

今回は、映画『ミラーズ』の感想レビューです。

タイトルのとおり、メインテーマは鏡。ジャンルはホラー・サスペンスです。

疑問を散りばめる前半は良かったのですが、後半で上手く回収できなかったのが残念でした。

辛口で評価すると、おすすめ度は6/10。

前半はネタバレ無しのレビューなので、観る前の参考にしていただけます。

後半はネタバレ有りの感想・考察なので、まだ観ていない方はご注意ください。

映画情報
  • おすすめ度:6/10
  • 原題:『MIRRORS』
  • 主演:キーファー・サザーランド
  • ジャンル:サスペンス
  • 公開:2008年
  • 長さ:110分(1時間50分)

ネタバレなしの感想

あらすじから。

主人公ベン・カーソンは同僚を誤射したことによるショックから休職中の刑事です。

ベンは一時的な仕事として、建物の警備員の職を見つけました。

その建物は、かつて起きた火災のあと廃屋のまま放置されているメイフラワービル。

前任者が自分で喉をかき切って死んだり、ビル内には鏡が大量にあったりと、非常に不気味な場所でした。

警備の仕事を続けるうち、ベンと彼の家族は鏡の前で不可解な体験をするようになります。

 

本作は、あらすじのとおり鏡をギミックとして使ったストーリーのサスペンス映画です。

恐怖を感じるシーンもかなりあるので、ホラー耐性がない人にはちょっとキツイかもしれません。僕もホラーは苦手な方で、やや気圧されました。

前半では鏡の不可解な謎が描かれていきます。

設定自体は面白く、鏡の前で起こる現象は一体何なのか、ハラハラしつつも推理しながら観ていきました。

なのですが、全体を通してややちぐはぐ感が目立った、というのが正直なところです。

あんまり細かいことを気にしてもしょうがないのかな、と思うのですが、サスペンス風の映画なので前半の謎を納得できる形で回収してほしかったと思いました。

具体的にはネタバレになるのでここには書きませんが、そんな感じで消化不良の設定やシーンがありました。

繰り返すと、設定は面白いのでその後を上手いシナリオで進めることが出来ていたらもっと面白い作品になっていたと思います。

 

主人公ベン・カーソンを演じるのは、TVドラマ『24』でも主演を努めたキーファー・サザーランドです。

僕は24をまともに観ていないので特に馴染みはなかったのですが、24が好きだった方ならもっと別な見かたが出来るかもしれません。

 

そういうわけで、個人的にはそこまで強くおすすめできる映画とは言えませんでした。

ただ、上に書いたようにシナリオの消化不良を感じないなら普通に良作と思えると思います。

あらすじでピンときた方はチェックしてみてください。

ネタバレありの感想・考察

注意

以下の感想・考察はネタバレを含みます。ご注意ください。

既に観た人向けです。

では、ここからは個人的に消化不良だった部分について、僕の理解をもとに書きたいと思います。

鏡の謎の正体

本作の一番の謎は、鏡の前で起きる現象は何によるものなのかということ。

最終的な答えは、悪魔によるものでした。

で、やや不満なのはその悪魔というのが何の脈絡もないただの悪魔だということです。

途中まではミスリード的に、

  • メイフラワーの火事で死んだ人々の霊
  • 統合失調症のアンナの霊

この2つあたりが正体なんじゃないか、という展開になります。

なるほどそれなら現世に留まり、鏡を通じて人々に働きかける理由はなんとなく理解できます。

火事の犠牲者はそこで死んだわけですし、アンナもそこがかつて病院だったときに拷問のような治療を受けているからです。

しかし、アンナが統合失調症というのは誤診であり、実際は悪魔が取り付いて凶暴化していたのでした。

で、その悪魔は一体何者で、何の目的があるのか。

僕の理解ではそこが全く描かれておらず、悪魔は単純に人に害をなす(殺して魂を奪う的な)存在でしかありませんでした。

個人的にはここが大きな消化不良ポイントで、それならアンナ=統合失調症の線のまま進めたほうがまだ納得の行く展開だったかなと思います。

「シナリオがこうだったら…」を考えてもしょうがないのですが、単に僕がそういう感想を持ったということで書いておきます。

悪魔を倒すシーン

ラストバトルと呼ぶべきシーンでは、年老いたアンナに再び悪魔を戻し、ベンは具体化した悪魔と戦います。

で、倒す方法というのが霊的なものでは全くなくて、普通に物理で倒していました

せっかくミスリードの末に登場した悪魔が物理的な方法で倒されてしまうのは、「それでいいのか!?」と思いました。

後述するラストシーンを考慮すると悪魔は実際には倒されていないのかもしれません。

ただ僕としては一応倒せたと解釈したので、物理でやられる悪魔にはやや拍子抜けしたというのが正直なところです。

ラストシーンの謎

ラストシーンでは、悪魔を倒したベンがメイフラワービルから出てきます。

すべて終わったかに見えましたが、ベンはあらゆる文字が鏡に写ったように逆になっていることを発見。

いつの間にか言うなれば鏡の中の世界に入ってしまったのだと悟ります。

ベンがその世界で窓ガラスにペタっと手を乗せると、現実世界で手の跡が浮かび上がります。

このことから、ベンがこれまで見てきたメイフラワーの鏡に浮かぶ手の跡は、最後のベンのように鏡の世界に入ってしまった人によるものだったのでは、と推測しました。

しかし、これにしてもイマイチ整合性が取れていない気がします。

  • なぜベンは鏡の世界に入ってしまったのか
  • (仮説が正しいなら)ベン以外に鏡の世界に入ってしまったのはどういう人達なのか

この辺りの説明や、あるいは推測するための材料がなく、なんとも消化不良でした。

 

以上3つが、「もっと上手く回収できたら」と思った特に大きなポイントです。

もしかしたら僕が見逃しただけの部分もあるかもしれません。

辛口なツッコミになりましたが、それだけ前半を期待とともに見られたことの裏返しでもあります。

本当につまらない映画ならここまで深く考えませんし、そもそもレビュー記事すら書けないものもあります。

こうしてみると割と考察ポイントがあるので、何だかんだで見入った映画でした。