【映画レビュー:INFINI/インフィニ】ソラリス&エイリアン風のSFスリラー

今回は、映画『INFINI/インフィニ』の感想レビューです。

スタニスワフ・レムの小説『ソラリス』とSFホラー映画『エイリアン』に近い作品でした。

感想としては、かなり微妙な部類。おすすめ度は低いです。

レビューの前半はネタバレ無しの内容なので、観る前の参考にしていただけます。

映画情報
  • おすすめ度:4/10
  • 原題:『INFINI』
  • 主演:ダニエル・マクファーソン
  • 監督: シェーン・アビス
  • ジャンル:SF
  • 公開:2005年
  • 長さ:111分(1時間51分)

あらすじ

人口の9割は貧困に陥り、彼らは宇宙へ向かい危険な仕事をこなしていました。

スリップ・ストリームという技術によって銀河の果てまでも一瞬でワープできます。

しかしスリップ・ストリームは代償が大きく、使うと予期しないことが起こることもある危険な技術です。

主人公ウィット・カーマイケルが所属する部隊にて、ある日事件が発生。

謎の感染症が確認され、建物ごとガスで消毒される事態になりました。

このままでは感染していない自分まで死んでしまうということで、ウィットは違法なワープで建物から脱出。

しかしワープした先は銀河の果てにある危険な惑星インフィニでした。

ジャンルについて

本作『INFINI/インフィニ』のジャンルはSFスリラーに近いです。

あらすじのとおり、世界は完全にSFそのもの。宇宙、ワープ、未知の感染症などの要素が出てくるので典型的な宇宙SFだと言えます。

また、地球から遠く離れた場所で起こる事件を描いた作品であるため『エイリアン』にも近いです。

面白かったところ

個人的に本作はかなり微妙な映画なのですが、SF的な設定は面白かったです。

あらすじに目を通した瞬間に、『トータル・リコール』(2012)に似ていると思いました。

トータル・リコールでは、貧しい人々がコロニーと呼ばれる場所で奴隷のように労働しています。

コロニーに行くために使われるのが、「ザ・フォール」と呼ばれる移動装置。これは地球を貫通するエレベータみたいなものです。

インフィニも同じような設定で、働く場所が地球外惑星、移動手段がスリップ・ストリームとなっています。

トータル・リコールが2012年、インフィニが2015年なので多少は意識しているのではないかと思います。

 

スリップ・ストリームでワープするためには、APEXと呼ばれる装置を首の後ろに埋め込みます。

これが映画『マトリックス』みたいで、またしても似てるなと思いました。

詳しくは後で書きますが、ストーリーはスタニスワフ・レムのSF小説『ソラリス』に近いです。

なので、インフィニは他の作品に相当インスパイアされているのではないでしょうか。

 

映画自体の設定に加え、序盤の展開も「これどうなるんだろう?」と思うようなもので良かったです。

あらすじをおさらいすると、

  1. 基地で感染症発生
  2. 消毒で皆殺し
  3. 主人公はワープで逃げる
  4. しかし逃げた先も非常に危険な場所

という流れでした。そういえば感染症発生→消毒も『バイオハザード』っぽいですね。

 

以上のように、あらすじ&設定&導入だけは良いと思います。

「これ結構面白そう」と、最初は思いました。

気になったところ

最後まで観た感想として、本作『INFINI』はかなり微妙な作品でした。

繰り返すと、掴みは悪くありません。

ただ、正直言うとそれだけだったと思います。

途中で観ているのが苦痛になりました。

 

まず、話が面白くありません。

せっかくパンチの効いた導入があるので、同じくらい印象的なストーリーだったら良かったのですが。

何か伝えたいことがあるとしたら、それはかなり抽象的なものだと思います。

作品の魅力を分かりやすくすることも、作者の役割の1つだと思います。

「何が面白いかは分かりにくいけど、観る方で頑張って解釈してね」だと、ちょっと残念な気持ちになります。

インフィニはまさにそんなスタイルの作品だと思いました。

ネタバレありの感想・考察

注意

以下の感想・考察はネタバレを含みます。ご注意ください。

既に観た方でないと何を言ってるか分からないと思います。

僕の理解だと、インフィニに存在する鉱物オパーズは、全体で1つの有機生命体のようなものでした。

ここがまさにソラリス的な要素です。

ソラリスでも、惑星の海全体が1つの生命体でした。

生命体ではあるけど、それが何を考えているのか、行動と思しきものにどんな意味があるのか。

それがよく分からないという点でも同じだと思います。

 

オパーズはヒトに血液感染して凶暴化させる性質がありました。

ウィット&救助チームはみな感染して、最後の一人になるまで殺し合いを始めます。物語の大半はそういうシーンです。

最後に残ったウィットが自殺して全て終わったかと思いきや、予期せぬ展開に。

感染して殺し合った記憶はあるけど、みな体がもとに戻っていて地球に帰る準備もできている…。

僕の理解では、これはオパーズがそうしたんだと思います。

ここでまず思ったのは、展開があまりにも突飛すぎるということ。

生き返ったメンバーたちは困惑するしかないのですが、それは観ている側の僕も同じでした。

それまでの情報と何の関わりもない能力がいきなり出てきたので、何が起きたかは理解しつつも、あっけに取られるばかり。

また、オパーズが状況をもとに戻した理由についてもハッキリは分かりませんでした。

ウィットが死ぬ前に残したメッセージで何か思うことがあったのでしょうが、非常に難解です。

おわり

以上、映画『INFINI/インフィニ』の感想レビューでした。

超厳しめの評価をするなら、本作は「色々詰め込んだけど結局スベってる映画」という感想になります。

『トータル・リコール』、『ソラリス』、『エイリアン』、『バイオハザード』を足して10で割ってしまった感じです。

あらすじ~導入で「これは良さそう」と思える人は多いと思います。

しかし全体としては楽しめない人の方が圧倒的に多そうなので、おすすめはできない映画です。