【映画レビュー:13F】仮想世界をベースにしたSFサスペンス

今回は、映画『13F』の感想レビューです。

仮想世界というテーマを上手く生かしたSFサスペンスでした。

個人的にはかなりアタリの作品です。

前半はネタバレ無しのレビューなので、観る前の参考にしていただけます。

後半はネタバレ有りの感想・考察なので、まだ観ていない方はご注意ください。

映画情報
  • おすすめ度:9/10
  • 原題:『The Thirteenth Floor』
  • 主演: クレイグ・ビアーコ
  • 監督:ジョセフ・ラスナック
  • ジャンル:SF
  • 公開:1999年
  • 長さ:100分(1時間40分)

あらすじ

仮想世界について研究するフラー博士が何者かに殺害される事件が発生。

博士の部下であるダグラスは、朝目覚めると血のついたシャツを見つけますが、全く記憶にありません。

事件の晩ダグラスは博士と一緒にいたはずですが、なぜかそれも記憶にない。

容疑者として疑われることになったダグラスは、仮想世界の中にヒントが隠されていると考えます。

そして、1937年のロサンゼルスを再現した仮想世界に自ら入ることに。

良かったところ

結論として、SFサスペンスが好きな僕としてはかなりアタリの映画でした。

名前は全く聞いたことがなかったので、隠れた名作という感じです。

まずは良かったところから書いていきます。

マトリックスとは一味違う仮想世界

仮想世界と聞いて真っ先に『マトリックス』を思い出しました。

実は13Fもマトリックスも、公開は同じ1999年なんですよね。奇遇です。

本作にはマトリックスのようなド派手な映像こそないものの、仮想世界というテーマを別な視点から生かしています。

後半3分の2くらいで起こるどんでん返しは見事…。「なるほどウマい!」と思いました。

詳しくはネタバレになるので、具体的なことは観てのお楽しみということで。

ノスタルジックな1937年

仮想世界と現実で映像の色味が変わります。それが良い対比になっていました。

本作の仮想世界は1937年のロサンゼルスが舞台です。

設定として、そこにいる人々はマトリックスのように実在はせず、コンピュータ上でシミュレートされているに過ぎません。

仮想世界のロサンゼルスはセピア色に染まっていて、ノスタルジックな感じがします。

一方現実は特徴のない普通の雰囲気。

この対比がいかにも2つの世界を行き来している感を出していて、印象に残っています。

謎に引き込まれる

ストーリーの大枠は殺人事件の謎を追う典型的なサスペンス。

序盤からいくつも謎が出てきて、仮説を立てながら観るのが面白かったです。

最初はわけが分からないことだらけですが、ちゃんと観ていれば理解できます。

難解な映画というわけではないので、ご安心ください。

良くなかったところ

逆に良くなかったところというと…正直これと言ってないんですよね。

ご都合主義で上手く行きすぎと思う展開もありませんでした。

ひいき目で観ているつもりはないのですが、こんなに欠点が浮かばない映画は珍しいです。

そういうわけで、仮想世界SF&殺人サスペンスという設定が合う方であれば観て間違いないと思います。

ネタバレありの感想・考察

注意

以下の感想・考察はネタバレを含みます。ご注意ください。

現実もまた仮想世界だった

ストーリー上の見どころは、ダグラスの世界もまた仮想現実だと判明したところでしょう。

ここが一番のどんでん返しだと思います。

視聴者もダグラスも、最初の認識は次のとおりです。

  • 現実:1999年。ダグラス、フラー博士、助手ホイットニーがいる
  • 仮想世界:フラー博士が開発した1937年のロサンゼルス

仮想世界のアシュトンは、郊外をひたすら車で進み、世界の果てを目にします。

そこはコンピュータ・グラフィックのようになっており、そこが仮想世界だと決定づけるものでした。

一方、ダグラスも現実世界の郊外で世界の果てを目にします。

つまり、仮想世界の上位世界だと思っていた現実もまた、1つの仮想世界だったわけです。

ここが非常に面白い。

 

仮想世界の映画ということで、

ダグラスの現実⇔アシュトンの仮想世界

という構図がまず頭に浮かびます。

しかし上のどんでん返しによって、本当は、

現実⇔ダグラスの仮想世界⇔アシュトンの仮想世界

という構図だったことが分かりました。

このように構図自体が変化するのがマトリックスと大きく違うところだと思います。

確かに本作はマトリックスのような超弩級のスケールはありません。

ただ、仮想世界というテーマをさらに掘り下げた点では本作の方が深みがあると言えます。

もちろん、どちらも面白い映画です。

現実とは何か?

ここからは妄想でしかないのですが、

「映画で最後に描かれる現実も仮想世界かもしれない」

という予想も立ちます。

SF好きとしては、こういうことを考えるだけで楽しいものです。

結局のところ、今認識している世界が現実かどうか知る方法はありません。

おわり

以上、映画『13F』の感想レビューでした。

個人的に本作はSFサスペンスの傑作です。

仮想世界というテーマがピンときたら観て損はありません。

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