【映画レビュー:アンノウン】川へ転落し記憶が曖昧に…自分を知らない妻、そして偽者の自分がそこにいた。正体は?

今回は、映画『アンノウン』の感想レビューです。

前半はネタバレ無しのレビューですので、観るかどうか決める際の参考にしていただけます。

後半はネタバレありの感想になります。ご注意ください。

映画情報
  • おすすめ度:9/10
  • 原題:『Unknown』
  • 主演:リーアム・ニーソン
  • 監督:ジャウム・コレット=セラ
  • ジャンル:サスペンス
  • 公開:2011年
  • 長さ:114分(1時間54分)

あらすじ

マーティン・ハリスはバイオテクノロジーの専門家。

学会に参加するために妻リズとともにベルリンを訪れます。

ホテルに着くも空港に忘れ物をしたことに気づき、ハリスがタクシーでUターンすることに。

しかしその道中でタクシーが川へ転落。ハリスは一命を取り留めるも、記憶が曖昧になってしまいます。

ホテルに戻り妻と再会するも、あろうことか妻は自分のことを知らない男だといいます。そして、妻の隣には「マーティン・ハリス」と名乗る見知らぬ男が。

妻はなぜ自分を忘れたのか。ハリスと名乗る男は誰なのか。ハリスは真実を求めて冬のベルリンを奔走します。

ジャンルについて

本作『アンノウン』は典型的なサスペンス映画です。

アクションやカーチェイスもありますが、メインの面白さは謎解きにあると感じました。

サスペンス・ミステリーでジャンルを好む方ならジャンルのミスマッチはないと思います。

面白かったところ

本作のサスペンス映画としての満足度は非常に高いです。

面白かったのはやはりあらすじに書いた謎と、最終的に明らかになるその答え。

ざっくり言うと、意識を取り戻したら自分が忘れられていて、代わりの自分がいた、というスタートです。この時点で「どういうことなの?」と引き込まれました。

この時点で、

  • ハリスの周りが演技している
  • 実はハリスが精神異常者だった(妄想している)

の2つの予想が立つはずです。

 

感想として言えるのは、ベタな展開で終わる映画ではないということです。

簡単に予想できてしまうオチではないので、導入から締めまで楽しめると思います。

矛盾は感じず、「確かにそれなら辻褄が合う!」と感心しました。面白いプロットだと思います。

 

序盤のテンポの良さも評価ポイントです。

サスペンス映画はどうしても序盤が退屈になる傾向がありますよね。

本作はあらすじの部分がサクサク進んでいくので、ダレてしまうことはないと思います。

 

ミステリー色が強い作品なので、アレコレとはどうしても書けません。

とにかく面白かったので、サスペンス・ミステリージャンルの映画が好きな方には観てほしいと思います。

悪かったところ

観ていて気になったところは、これといってありませんでした。

強いて言うなら、超ど派手なアクション映画に比べるとスケールは小さく地味ということでしょうか。

それを言い始めたらほとんどのサスペンス映画はそうなってしまいますが…。

上にも書きましたが、アクションよりもあくまで謎解きを楽しむ映画だと認識するのをおすすめします。

ネタバレありの感想・考察

注意
以下の感想はネタバレを含みます。ご注意ください。

意識を取り戻したハリスが直面する謎はとても面白かったです。

振り返る意味を含めてまとめると、僕の理解は次のとおり。ネタバレです。

 

1、ハリスという人物は最初から存在しなかった

ハリス、妻リズ、偽のハリス(+他数名)はもともと、暗殺者集団の仲間でした。

つまり、ハリスは学者ではありませんし、ハリスという名前でもありません

ベルリンに来たのは、ある学者からデータを盗んで暗殺するのが目的。

その学者は枯れない強いトウモロコシを開発し、それを世界に無償で公開する予定でした。

その前にデータを奪い学者を始末すれば、データを売りさばいてボロ儲け…という計画です。

 

2、謎が発生した経緯

すり替わりのような謎が発生したのは、ハリスが川に転落して記憶を失ったのが原因です。

これはプランでも何でもなく、本当のアクシデント。

ハリスは川に落ちる前は、自分が暗殺者だと認識していました。しかし事故によって、自分が暗殺者だということだけ忘れてしまったのです。

ハリスが記憶喪失になったことで、代わりのプランが適用されます。つまり、もう1人用意しておいたハリス(偽ハリス)を投入し、暗殺計画を継続するプランです。

代わりのプランに移行した以上、記憶を失ったハリスは邪魔なだけなので始末されそうになるということですね。

 

***

かいつまんで解説するとこんな感じです。

流石にこの展開は読めませんでした。

僕は当初、「ハリスは精神異常者で、設定が全て妄想である」という仮説が有力だと思っていました。サスペンス映画ではよくある展開ですよね。

今回もそれかな?と思っていたのですが、ハリスが何者かに尾行され暗殺されかけたところでこの仮説は否定。

「やっぱりハリスは正気で、ハメられただけ?」という次の仮説が立ちました。

しかし、真実はそれともちょっと違う。そもそもハリスは学者ではなく暗殺者で、それを忘れていました。

 

このように僕の仮説が二度も破られることになります。

サスペンス映画では、視聴者の仮説は破られてなんぼだと思います。

もちろん矛盾だらけのプロットで破られても面白くないですが、本作のプロットは十分納得できるレベルでした。

興味をそそられる謎、そして予想できない展開。これが面白いサスペンス映画の醍醐味ですね。

本作はその条件を満たしています。

 

格闘と運転能力が高いのも理由があった

記憶を失ったハリスは、途中で暗殺者と格闘したり、カーチェイスを繰り広げます。

これは当初、「ただの学者なのにどうしてこんな事できるの?」と疑問に思いました。ただの研究者がプロの暗殺者と互角にやり合うのは流石におかしい。車のハンドルさばきも尋常ではありません。

しかし、これもちゃんと理由があったんですね。

ハリスはもともと暗殺者です。なので記憶を失っても格闘できますし、運転も上手いわけです。

一見ご都合主義に見えた描写も、実は意味がある。なかなか作り込まれているなと思いました。

おわり

以上、映画『アンノウン』の感想レビューでした。

一見地味そうに見える映画ですが、満足度は非常に高いサスペンス映画でした。

サスペンス・ミステリ界隈を好む方には、自信を持っておすすめできる作品です。