【映画レビュー:ナイトクローラー】モラルを欠いた男の生き様を描くクライム・サスペンス

今回は、映画『ナイトクローラー』の感想レビューです。

フリーのカメラマンという設定を用いて、主人公の異常性を描き出す作風が面白い映画でした。

人によっては非常に後味の悪い映画だと思います。

僕は登場人物の悪行は全てフィクションと割り切り、あくまで面白く見られました。

設定を軽く読んだだけだとカメラマンがどう面白くなるのか分かりませんでしたが、個人的にはアタリの映画です。

今回のレビューには大きなネタバレはありませんが、ざっくりとした方向性は含んでいます。

まっさらな状態で観たい方はご注意ください。

映画情報
  • おすすめ度:8/10
  • 原題:『Nightcrawler』
  • ジャンル:サスペンス
  • 公開:2014年
  • 長さ:118分(1時間58分)

序盤のあらすじ

こそ泥まがいのことをして日銭を稼ぐルイス・ブルーム。

頭は切れるものの社会と折り合いがつかず、学歴もないためまともな職にありつけずにいました。

ある日自動車事故の現場を眺めていたルイスは、事故現場を撮影しているカメラマンに出会います。

彼らはニュースになる映像をいち早く撮影してTV局に売りつけているのでした。

その稼ぎ方に影響を受けたルイスは、自分も同じことをしてみようと決意します。

主人公ルイス・ブルームという男

ジェイク・ジレンホール演じる主人公ルイス・ブルームは、言ってしまえば社会不適合者です。

ストーリーを見ていくとよく分かる通り、彼にはモラルというものがありません。

カメラマンになる前も法に触れることを平然とやってのけていました。

たいていの人なら良心が痛むことも自分の利益のためなら何だってやります。

他人をとことん利用することも辞さない男です。

ではルイスは映画によくある無職の主人公かというと、そうではありません。

社会性が欠けている一方、頭は非常に切れることもストーリーの展開とともに明らかになってきます。

作品を通じて、ルイスの振る舞いに嫌悪感を抱く人は多いでしょう。

全て見終わって後味が悪く感じても不思議はありません。

僕はというと、彼がどこか憎めないというか、必死で生きた結果がそれなんだろうと思いました。

モラルが皆無なのに疑問の余地はないのですが、一周回って「そこまでやるか」と膝を打ちました。

個人的には後味は全く悪くはなくて、普通に犯罪映画を観たあとの感覚に近かったです。

画は作るもの

ルイスを初めとするカメラマンには、視聴者の心を揺さぶるショッキングな映像を撮ることが求められています。
(もちろん、それを誰よりも早く撮ることも)

すると自然に行き着くのは、「ショッキングな映像を見つけるのではなく、自分で作る」という方法です。

これはもう半分犯罪のようなものですが、グレーゾーンに深く足を踏み入れるほど、TV局からの支払いも多くなります。

外道ルイスは「画(え)を作る」ことを覚え、そのやり口はどんどんエスカレート。

もちろん彼は逮捕されないように、あくまで正当な方法で撮影したことにするストーリーを用意周到に作り上げます。

そういう点で本作はクライム(犯罪)映画でもあるのですが、カメラマンという珍しい題材のおかげで内容に新鮮みを感じました。

「画を作る」というやり口を観て、名探偵コナンを思い出しました。

詳しくは覚えていないのですが、同じくフリーのカメラマンが良い写真を撮るために自分で放火する話だったと思います。

火事が起きて住民が奇跡的に救助されるところを撮影。その結果カメラマンは多額の報酬を得るのでした。

『ナイトクローラー』のルイスとやっていることはだいたい同じです。

名探偵コナンのこの話はたしか飛行機の中が舞台で、コナンではなく新一が解決する話だった気がします。

後半の方が面白い

ストーリーは後半になるにしたがって面白くなると感じました。

そもそも本作にはCGやド派手な演出はなく、あくまでリアルな世界を描いた作品です。

なので前半~中盤はちょっと退屈してしまう方もいるかもしれません。

しかし後半は絵面・展開ともに迫力が出てきて、より手に汗握る内容になってきます。

ルイスの外道っぷりが最も発揮されるのも終盤なので、最後まで観てほしいと思います。

おわりに

以上、映画『ナイトクローラー』の感想レビューでした。

たとえ後味が多少悪くなるとしても、クライム映画好きにはおすすめできる作品です。

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